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風がさす 始発まつ身に きびしくて 名残のあさと くもの行くすへ
<読み>
かぜがさす しはつまつみに きびしくて なごりのあさと くものゆくすえ
<意味>
風がさす様で、始発便を待つ身には [寒さが] きびしくて、名残の朝と雲の行く末 [が思いやられる]。
<解説>
寒い。もう冬だといっても良いだろう。
そんな叙景を詠んだ歌である。
下句に関しては、なんらかの語句を補わないと<意味>として成立しない。従って、上にある様に最も汎用性がある、つまり、解釈に幅をもたせたモノにしてみた。
夜から朝へと謂う時間の推移と、秋から冬へと謂う季節の推移とが一体化して感ぜられたとも、「名残の朝」によって産まれるある感興が、冷たい風に流される雲と同化してみえた、とも読める。