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はるがゆへ 憎きひとにも わがうちの いみじかるもの いまは寝たふり
るい詠める
<読み>
はるがゆえ にくきひとにも わがうちの いみじかるもの いまはねたふり
<意味>
新春を理由として、憎い人にもわたしのなかにいる怖ろしいものも今は寝たふりをしている。
<解説>
年が明けて、仕事始まりも経て、松の内があけてもまだ、正月気分はぬけない。交わす挨拶はまだ、「おめでとう」だの「今年もよろしく」だので、すましてしまう。
それと同時に、交友関係や人付き合いもいったんは、リセットしてしまう事もある。そこで交わされる感情の軋轢も一度、棚上げにしてしまう。好印象はともかく、悪感情は特にそうだ。年明け早々に、怨みつらみを迸らせる必要もないだろう。
だから、まだ正月気分は抜けなくて良い。できればこのままずっと寝たふりをしてもらいたいのだ。
第4句「いみじかる」は形容詞ク活用"いみじ"連体形である。この形容詞には様々な意味があるが、ここでは怖ろしいと解釈した。