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陽ざしさけ さん三五ごと ひとのまつ 見世をあけつる そのひとのかを
<読み>
ひざしさけ さんさんごごと ひとのまつ みせをあけつる そのひとのかお
<意味>
陽射しをさけて三々五々と客がまっている。開店したそのひとの顔 [が印象に遺る]。
<解説>
歌そのものは開店時間を待つ人々とその時間を待って開店した店員の表情を詠んだもの。平時ならばたいした叙景ではない。今年の6月だからこそ、様々な趣き、感興がそこにある様にも思える。
しかしながら、上の句が開店前の顧客の叙述であり、下の句が開店後の店員の叙述である。そこにふたつの表情があるのだが、それらの具体的な描写はここにはない。
結句は体言止めなので、訳す場合は述部を補わなければならない。上の<意味>では最も無難なモノであろうモノにしてみたが、歌の理解次第では如何様にもなる。
第4句「あけつる」は、カ行下二段活用動詞"あく"連用形 + 完了の助動詞「つ」連体形で、結句「そのひと」を修飾している。