驟雨ニ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2020-08-13 17:17:27) by =oyo=


<画像:20200813.jpg>
きみの云ふ 寄らば大樹に うつ蝉は ただ一入に まつの身としる

るい詠める

<読み>
きみのいう よらばたいじゅに うつせみは ただひとしおに まつのみとしる

<意味>
あなたが謂う寄らば大樹 [と謂う語句の通り] に、この世ではただひたすらに、待つしかないと理解する。

<解説>
第2句「寄らば大樹」の意味に関しては、特筆する必要はないだろう。慣用句として正しくは、寄らば大樹の陰 ( ‎A Good Tree Is A Good Shelter.) と謂う。
第3句「うつ蝉」は、『源氏物語 (The Tale Of Genji)』 [紫式部 (Murasaki Shikibu) 作] の第3帖『空蝉 (Utsusemi)』ともその逸話の主人公である女性の名前と解する事も可能だろうが、ここではその語句本来の意味、"現世"と解釈しておく [第2句「大樹」と連動させて昆虫 (Insect) である ( Cicada) そのものと謂う解釈も成立するだろう]。
第4句「一入」は、多義を伴う語句だが、その直前にある副詞"ただ"と同様に、強調の意味と解しても問題はないだろう。
結句「まつの身」は、恐らく"松の実 (Pine Nut) "と"待つのみ"の掛詞。前者は第2句「寄らば大樹」を受けてのモノだろうが、後者はさらに"待つのみ (Only Waiting)"と"待つの身 (One Who Waitts)"のふたつの掛詞である可能性もなくはない。
念の為に、付け加えておけば、不意の驟雨を避けるのには、大樹に身を寄せるのは有効な手段だろうが、雷を伴っている場合は、危険な事この上ない。

(この項:たい)


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