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濡れていま とぎれぬ汗を ながしても きみのたい熱 なつの遺りか
<読み>
ぬれていま とぎれぬあせを ながしても きみのたいねつ なつののこりか
<意味>
[雨に] 濡れて今、とぎれない汗を流しても、あなたの体熱は夏の残り香 [の様である]。
<解説>
結句「なつの遺りか」の「か」は、名詞である"遺り香"の一部を構成しているともとれるし、終助詞"か"
であるともとれる。すなわち、掛詞としての可能性が高い。
名詞であるとして解釈するとなると、上の<意味>の様に語句を補わなければならない。
また、終助詞"か"
と解した場合は、その終助詞の用法には、疑問・反語・詠嘆とあり、そのいずれを採用するかで、歌の解釈が異なる事になる。場合によっては、全く真逆の趣旨をもつ歌にもなり得る。各自でそれぞれを試みて、みるのも良いだろう。