怪談ヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2020-10-29 17:15:29) by =oyo=


<画像:20201129.jpg>
怨みのこ をんなひとりの ゆくところ はらに孕みて そらにしん月

るい詠める

<読み>
うらみのこ おんなひとりの ゆくところ はらにはらみて そらにしんげつ

<意味>
怨みの児を孕んだ女ひとりがゆくところ [はどこであろうか] そらにかかっているのは新月である。

<解説>
歌を解釈するのはそれ程難しくはない。だが、読み手それぞれによって、異なる解釈が幾つも産まれよう。
ひとつは、この歌には述部に該当するところがない。従って、上の<意味>の様に、なんらかの語句を補う必要がある。<意味>では最も無難そうなモノにしたが、他にはどの様なモノが考えられるだろうか。
また、ひとつには、初句「怨みのこ」の解釈である。この解釈は第4句「はらに孕みて」と連動して行わねばならないだろう。つまり、「をんな」は妊婦なのや否やと謂う点である。彼女が妊婦であると謂う理解とは別に、妊婦ではないとする理解、ひとつの比喩表現として、初句と第4句がある、と謂う理解も生じ得るのである。
新月 (New Moon) は別名、朔月。月齢0であって、 (The Moon) の満ち欠けの周期の第1夜である。と、謂う事は、ここから詞書にある怪談 (Ghost Story) が開幕する、と謂うのであろうか。

(この項:たい)


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