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ねむつている おと女のにぎる 燃えさしと すぼめる吾の 吐息あびる掌
<読み>
ねむっている おとめのにぎる もえさしと すぼめるわれの といきあびるて
<意味>
[永遠の] 眠りについた乙女の握るもえさしと、すぼめた私の吐息を浴びる掌 [とを比べる]。
<解説>
上句に描写されてあるのは、童話『マッチ売りの少女 (Den lille Pige med Svovlstikkerne)』 [ハンス・クリスチャン・アンデルセン (Hans Christian Andersen) 作 1845年発表] であろう。その最後のシーンと思われる。
一方の下句に描写されてあるのは、作者自身の現在、寒さに凍える両掌をすぼめて、はぁはぁと自身の呼気を吐きかけているのだ。
さて、それぞれの環境に於いてどちらが寒いのか、そして、そんな渦中にあっても、どちらが暖かいと感ずるのか。