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あかずの間 あらしの晩の とりかへ児 施錠は欠ひて かたはれも失せ
<読み>
あかずのま あらしのばんの とりかえこ せじょうはかいて かたわれもうせ
<意味>
開かずの間の、嵐の晩に取り替え子の騒ぎがある一方で、その施錠が壊され、[双子の兄弟の] その一方も喪われる。
<解説>
詞書にあるのは、映画『悪を呼ぶ少年 (The Other)』 [ロバート・マリガン (Robert Mulligan) 監督作品 1972年制作] である。
双子の少年のその1人の、家族と周囲にある人々に次から次へと災厄が起こる物語が、美しい田園光景を舞台にして語られていく。その事件には、双子のもう1人が深く関与しているのだが、それを知るのは彼等だけである。
歌はその映画の最終部、クライマックスを呼んだモノであろう。だから、これ以上の事は擱筆せざるを得ない。
猶、第3句「とりかへ児」とは、取り替え子 (Changeling) の謂いであろう。