我執ヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2021-07-15 17:15:07) by =oyo=


<画像:20210715.jpg>
さにあらず 夏くるまへの すがた見に かつてありしの 吾をかさぬる

るい詠める

<読み>
さにあらず なつくるまえの すがたみに かつてありしの われをかさぬる

<意味>
そうではない。夏くる前の姿見に以前のわたし [自身の姿] を重ねた [わたしは独語した]。

<解説>
文法的な事を先に綴れば、結句「かさぬる」は、ナ行下2段活用動詞"かさぬ"連体形である。一見しただけでは、サ行4段動詞未然形 + 完了の助動詞"ぬ"連体形と見誤りそうである [と、謂うか、一瞬、そんな気がしてしまったのである]。
よって、上の<意味>の様に何らかの用言を補って解釈する必要がある。もっと相応しい用言があるかもしれない。
歌の主題は、老い、もしくは、衰えであろう。と、なると一般的に考えられるのは、年の終わりもしくは秋の訪れと呼応する様に、その主題は登場すべきである。しかし、今は梅雨の時季、盛夏の前である。恐らく、肌の露出が多くなる事から、この歌は詠まれたのだろう。

(この項:たい)


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