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夢ふたり 倦ゐに倦ゐたる みじか夜に なる神よそに たち鋏み墜つ
<読み>
ゆめふたり ういにういたる みじかよに なるかみよそに たちばさみおつ
<意味>
夢をみているふたり、これ以上ない程に倦んでいる夏のみじかい夜に、雷がなるのとはべつに裁ち鋏が墜ちる。
<解説>
緩慢と時間だけが過ぎていく中に、その雰囲気に突き刺さる様に突如としてある事件が起きる。と、謂う様な解釈が出来そうな歌ではあるが、その情景が意味するところがよく解らない。
ここに登場する2人の人物は、恐らく眠っている。そして、同じ様な夢を観ているのだろう。同床異夢 (They lLve Together But In Different Worlds.) ならぬ同床同夢 (They lLve Together And In Same Worlds.) だ。しかも2人はそれに飽きがきている。夢に対してなのか、それともそれに耽る2人の関係に対してなのか。さらに謂えば、それは長い時間がもたらしたモノではない。夏の短い夜の出来事なのだ。そして、遠雷 (Distant Thunder) が聴こえる中、不意に裁ち鋏 (Sewing Scissors) が墜ちる。もしかしたら惨劇 (Tragedy) の開始を告げるモノなのかもしれない。
と、妄想を逞しくしてみた。