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夕しぐれ なつの陽射しの 去りしいま ことなしおゑて 外科しつの香
<読み>
ゆうしぐれ なつのひざしの さりしいま ことなしおえて げかしつのか
<意味>
夕時雨が降っている。夏の陽射しが去った今、事を終えて外科室の匂いがする。
<解説>
昨日から天候が思わしくない。今年の夏は猛暑にも関わらず、すっきりとした晴天とはあまり縁がなかった様な気がする。不意に雨が降る。もしくは、いつ降り出してもおかしくない。そんな日々だったと思う。そして、この天気だ。秋の長雨を思わせる。そして、少し寒い。あの夏ももう終わってしまったのか。
初句「夕しぐれ」は冬の季語である。
ところで、第4句「ことなしおゑて」は、外科の施術が終了した意なのだろうか。結句「香」はその「外科しつ」からのモノなのだろうか。それとも詞書にある「女医」からのモノなのだろうか。
なんとなく、映画『外科室 (Gekashitsu)』 [坂東玉三郎 (Bando Tamasaburo V) 監督作品 1992年制作] を想い出す。その原作小説『外科室 (Gekashitsu)』 [泉鏡花 (Izumi Kyoka) 作 1895年 文芸倶楽部掲載] と謂うよりも。但し、そこには「女医」は登場しない。