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異けふより かぜの便りは 届けらる わたしを愛した そのひとの訃
<読み>
いきょうより かぜのたよりは とどけらる わたしをあいした そのひとのふ
<意味>
異郷より風の便りが届けられた。わたしを愛したそのひとの訃報である。
<解説>
第3句「とどけらる」は、カ行下二段動詞"とどく"未然形 + 受身の助動詞"らる"終止形。この助動詞にはよっつの意味があるが、この場合は文中の意味から判断する。
技術的な観点で説明すれば、よっつの意味のうち、"自発"は個人の内心や感情に関する語句に対して使用される。この文の主語が第2句「かぜの便り」であるからにはその可能性はない。"尊敬"も同様の理由で排除される。遺るふたつの意味、"可能"と"受身"の中から、いずれが相応しいかを考えれば良い。
歌自身の解釈は然程、難しくはないだろう。連日連夜と謂えば誇張になってしまうが、個人的には、影響や感動を与えてくれた幾人ものひとのそれが届けられる。天寿を全うした人物もあれば、ぼくよりも遥かに若年の人物もある。