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捨てぜりふも 逃ぐるかいなに すがるまで 傘もふきとべ じやう欲のち
<読み>
すてぜりふも にぐるかいなに すがるまで かさもふきとべ じょうよくのち
<意味>
捨て台詞も [謂ったところで、あなたの] 逃げる腕に縋りつくまでだ。傘もふきとべ、ここは情欲の地である。
<解説>
台風16号の進路とその影響が心配されるこの週末である。
それに引き摺られた歌なのだろうか。歌われている背景には、激しい風雨がうちつけている。
別離を告げられたのだろうか、それとも喧嘩の最中なのだろうか、恐らくこの歌の叙景の直前には、ふたりの人物による激しい応酬が繰り広げらていたと思われる。そして、相手から訣別の言葉、すなわち初句「捨てぜりふ」が告げられた瞬間に事態はこの様に、展開したのだろう。
結句「ち」は、最も理解しやすそうな、無難な語句として上の様に解釈したが、"血"にも"痴"にも解する出来よう。