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めざむれど 嘆かわしきは 空しよの いまみた夢に をしながさるる
<読み>
めざむれど なげかわしきは あだしよの いまみたゆめに おしながさるる
<意味>
[一度] 目覚めたけれども、嘆かわしいのは儚い現世の [生活なので] 今見ていた夢に押し流される [わたしである]。
<解説>
日中は爽やかな秋である。11月ってこんなに暖かかったのかと思う程に。数週間前には、これが10月なのかと思う程に寒い日々が続いたので、尚更である。小春日和 (Indian Summer) と謂う過ごし易い時季が毎年到来するが、それとこの数日は少し異なるモノの様に思われる。
それは、朝晩が思いの他に厳しいからだ。よって1日の寒暖の落差が大きく、これが例年とのこの時季とは異なる感興を呼び起こしているのかもしれない。
歌自身は、単純に、朝の寒さで思わず二度寝した、とも読めるが、健康上に思わぬ瑕疵があっての事かもしれない。
猶、第3句並びに結句は体言 [とそれを受ける用言] が省略されているので各々、語句を補って解釈しなければならない。因みに、第3句「の」は、格助詞"の"、もしくは連体助詞"の"であって、いずれの場合であっても体言に接続する。結句「ながさるる」はサ行四段活用動詞"流す"未然形 + 受身の助動詞"る"連体形である。