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しらぬかを きみが不在の この夜を 凍てつく空の くもの白きは
<読み>
しらんかお きみがふざいの このよるを いてつくそらの くものしろきは
<意味>
知らん顔 [をして流れてゆく]。あなたが不在の今夜の事を、凍りつく様な空にある雲の白さは。
<解説>
今日は大寒 (Dahan)。1年で最も寒さの厳しいとされる季節、その始まりの日だ。その文字をみるだけで、震えが来るのは、ここ数日の実際の寒さのせいである。
今夜はひとりぼっち、愛すべきその人はいない。そう思うと、余計に今、寒さが身に沁みる。しかし、それを慰めてくれるモノは何もなく、青空を流れる雲の白さは、あまりに有閑としている。怨めしいばかりだ。そんな歌である。
結句「くもの白き」は、明示はされていないが第3句「この夜」との対比である。
猶、指摘するまでもなく、この歌には倒置法 (Anastrophe) が用いられている。