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つひの日に 父とのおもひで にぎる掌の たかまるなみは しろきに綾なし
<読み>
ついのひに ちちとのおもいで にぎるての たかまるなみは しろきにあやなし
<意味>
最期の日に父との思い出に [浸りながら] 握る掌の [暖かさを感じる一方で] 高まる波は白く綾なしている。
<解説>
詞書にある「映画」とはなんなのか、その解答は解ってはいるがここには綴らない。その作品とこの歌、両方の、ただのネタバレになってしまうだけだから。
上句と下句に断絶がある。逐語的に解釈してもその意味は通じない。だから、各々はそれに相応しい語句を補う必要がある。そして、それを行う事によって歌の世界も決せられるだろうし、そこにあるであろう情感も拡がる。
だからこそ、歌の題材となった映画名を記す必要はない。
いつかどこかで観た映画、もしくはいずれだれかと体験するであろう映画へと、想いを馳せる方が、この場合、相応しいであろう。