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ゆきかふは む言のままに しらぬかを きみは何処や まぼろしの街
<読み>
ゆきかうは むごんのままに しらんかお きみはいずこや まぼろしのまち
<意味>
行き交う人々は無表情にも知らん顔をして [通り過ぎていく] あなたはどこにいるのだろうか、このまぼろしの街では。
<解説>
なにが実際にあったのかは解らない。ただ、路上で作者が困惑する事態が出来したのだろう。しかし、助けを求め様にも、すがるべき人物、すがりたい人物は、ここにはいない。そんな歌だ。
よくある光景といえばよくある光景、だが、そう思えるのは自身が第3句「しらぬかを」の側の人物であった場合だけだ。そんな人々を眺めなければならない立場に立つと、その際の感情は全く異なるモノになるであろう。
結句「まぼろしの街」がすこし引っ掛かる。この句がある事で、まるで、夢の中の出来事、非現実的な状況下での歌であるかの様にも思える。