<画像:20220317.jpg>
しん窓の おもいもよらぬ 戀に堕ち 縺れしいとも そのままに逃ぐ
<読み>
しんそうの おもいもよらぬ こいにおち もつれしいとも そのままににぐ
<意味>
深窓 [の令嬢が自身] の おもいもよらない恋に堕ちて、縺れた糸もそのままにして逃げる。
<解説>
こちらを読むと、旧字体 (Old Character Form) の"戀 (Koi : Love)"と謂う文字の上半分、"糸言糸"の部分は、糸が縺れた状態を意味していると謂う。と、すれば、この歌に第3句「戀に堕ち」とそれに続く第4句「縺れしいと」は、見事に呼応関係にある事にある。
歌自身は、ある女性の逃避行を題材としたモノであるが、第4句「縺れしいと」がある事によって、もうひとりの逃避行の当事者とは別に、恋愛対称があったのであろうと、類推される。否、そうではなく、その原因となった恋愛そのものが、許されぬモノ、不倫行為もしくは両親の不許のモノ等であったのかもしれない。いずれにしろ、その比喩から想像される様に、単純な構造ではないのだ。