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邪まを からくれなゐに 濁りうが かれとみちづれ ゆくゑもしれぬ
<読み>
よこしまを からくれないに だくりゅうが かれとみちづれ ゆくえもしれぬ
<意味>
邪悪なるものを真紅に染めて濁流が彼と道連れにして、 [その後] 行方不明である。
<解説>
第2句「からくれなゐに」は、『小倉百人一首 (Ogura Hyakunin Isshu)』 [藤原定家 (Fujiwara No Teika) 撰 13世紀前半成立] のひとつにして、在原業平 / Ariwara No Narihiraの作『千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは / Even when the gods / Held sway in the ancient days, / I have never heard / That water gleamed with autumn red / As it does in Tatta's stream』からの本歌取り。
その歌での「からくれなゐに」染めているのは、秋の紅葉 (Maple) ではあるが、本作では謂うまでもなく、血液である。