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ふみにある をとこの不ぢつを しりていま うしろで嗤ふ ち染めの花よめ
<読み>
ふみにある おとこのふじつを しりていま うしろでわらう ちぞめのはなよめ
<意味>
手紙に書いてある男性の不実を知って今、背後で笑っているのは、血染めの花嫁である。
<解説>
解釈には幾通りかありそうだ。
第4句「うしろで嗤ふ」っているのは結句「ち染めの花よめ」だろう。
だが、初句「ふみ」の内容を第3句「し」ったのは誰なのか。
考えられるのは、結句「ち染めの花よめ」が知った場合と、彼女ではない他者、例えば歌の主人公である場合である。
前者の場合は、第2句「をとこ」は彼女を娶る花婿である場合もあるだろうし、彼ではない人物、例えばかつての恋人である場合もあるだろう。一方の後者の場合は、更なる可能性が引き出せる。つまり、結句「ち染めの花嫁」とその他者との関係如何によって、である。
否、それ以前に、その彼女が血染めになっている、その理由自体をこそ、考えるべきなのかも知れない。