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くろきかげは すぎゆくをりに ほほ笑みし 何処としれぬ なつの回廊
<読み>
くろきかげは すぎゆくおりに ほほえみし いずことしれぬ なつのかいろう
<意味>
黒い影が通り過ぎる際に微笑んでいた。どこともしれない夏の回廊で。
<解説>
疑問におもう点は幾つもある。
影が微笑むのだろうか。そして、その微笑みを目視する事は出来るのだろうか。場所はわからないが、季節が解ると謂うのは一体、どういう事なのだろう。
そんな事だ。微に入り細に入ってしまえば、まだまだ浮上するのかもしれない。
尤も、詞書を信ずれば、この歌に論理的破綻があるのは夢の叙景だから、と謂う事にはなるのだが。