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きみを棄つ 死地におもむく 覚ごより うちに潜みしに 従ひしゆゑ
<読み>
きみをすつ しちにおもむく かくごより うちにひそみしに したがいしゆえ
<意味>
あなたを棄てる。 [その理由は] 死地に赴く覚悟よりも、内心に潜んでいるものに従うからだ。
<解説>
恐らく恋人との別離の叙景。戦地もしくは決闘等の場へ向かうその直前だろう。考えるべきは第4句「うちに潜みし」の正体ではあるが、この歌だけでは解らない。運命とも宿命とも解釈出来るし、初句「きみ」とは異なる人物への想いなのかもしれない。
その第4区「潜みし」は、マ行四段動詞"潜む"連用形 + 過去の助動詞"き"連体形 + 格助詞"に"である。よって、解釈する際は、上の様に体言を補って訳す。