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なとかねに なにもかにをも なしくずし すがりつきたき をいらくの戀
<読み>
なとかねに なにもかにをも なしくずし すがりつきたき おいらくのこい
<意味>
名声と財産に [それに加えて] 一切合切をなしくずしにして、縋りつきたくなるのは年老いてからの恋愛である。
<解説>
<意味>では、現在の自身に所有しているモノ、もしくは、その属性としてあるモノを、自らの意思によって放棄する、そんな視点で上句を解釈してみた。
しかし、もうひとつの解釈の可能性がない訳ではない。
第三者によって、もしくは事故乃至過失等によって、第3句「なしくずし」になってしまったと謂う理解である。
果たして、どちらが相応しいのであろうか。どちらに趣きがあるのだろう。多分にそれは、結句「をいらくの戀」と謂うモノの評価次第ではないだろうか。