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風は云ふ きみのいない この星の 陽はのぼるとも 哀しみのあを
<読み>
かぜはいう きみのいない このほしの ひはのぼるとも かなしみのあお
<意味>
風は謂う。あなたのいないこの星の、陽は昇るとしても [その空の色は] 哀しみの青である。
<解説>
そこのあるだろう情緒はなんとなく解る。解るが、では具体的になんなのかと突き詰めていこうとすると、疑問符ばかりである。
敢えて謂えば、それは個人的なおもいではないのかも知れない。だからと謂って、全世界が肯んずるモノでもないのだろう。凄まじく矛盾した事をここに綴ってしまった様な気がするが、どこかに二律背反 (Antinomie) 的なニュアンスが、この歌にはあるのだ。
そして、第4句「陽」と謂う肯定的に捉えられるモノの存在を認めた上で、それにも関わらずに、その結句「哀しみ」と謂う心象の存在を否定は出来ないのだ。