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で遭ふたり 夢のくわい廊 彷徨ふて ないたあか鬼 をさなきころの
<読み>
であうたり ゆめのかいろう さまようて ないたあかおに をさなきころの
<意味>
出逢ったのだ、夢の回廊を彷徨って、泣いた赤鬼の幼い頃の。
<解説>
第4句「ないたあか鬼」は児童文学『泣いた赤鬼 (Naita Aka Oni : Crying Red Demon)』 [浜田廣介 (Hirosuke Hamada) 作 表題『おにのさうだん (Demons' Consulting 』として1933年 『カシコイ二年小学生 (Kashikoi Ninen Shogakusei : Wise Second Grade Students Of Elementary School)』連載] を受けての事だろう。だけれども、それがその童話の主人公本人なのか、ある人物のその主人公を比喩なのか、それともその童話が掲載されている絵本なのかが不明瞭だ。それと同様に、結句「をさなきころの」が誰の形容なのかも不鮮明である。童話の主人公もしくはそれに比喩されるある人物である可能性の他に、作者本人を指示している可能性すらある。<意味>では逐語訳に徹してみたが、歌の解釈の仕方によってその<意味>はいくらでも存在し得る。