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きみよゐね 云ふにこと欠き この芽どき 不ゐにを咽の ほとばしる
<読み>
きみよいね いうにことかき このめどき ふいにおえつの ほとばしる
<意味>
あなたはいなくなりなさい、よりによって謂うのが木の芽時 [だから。その後わたしは] 不意に嗚咽が迸るのだ。
<解説>
初句「きみよいね」は、強調の終助詞"よ" + ワ行上一段活用動詞"居る"連用形 + 完了の助動詞"ぬ"命令形、解釈は<意味>の通り。
歌自体の解釈としては、作者が初句「きみ」に何らかの説明を求めた際の初句「きみ」の解答、もしくは理由が「この芽どき」だったのだろう。この時季は体調も情緒も不安定になりやすい。だが作者は、それに納得出来かねるから初句の言葉を発したのだ。恐らくそれは作者の本心ではない。寧ろその逆なのだろう [と、謂う事が下句から推察される]。