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あめのふる 時計のこゑは 孤独のね あかりともせば ひときはとなり
<読み>
あめのふる とけいのこえは こどくのね あかりともせば ひときわとなり
<意味>
雨が降る時に、時計の音は孤独の音である。灯火を灯すと一際となる。
<解説>
読んで字の如く、と謂ってもよい程のわかりやすい歌である。
敢えて指摘すべき点があるとすれば、結句「ひときはとなり」は、一体なにが一際となるのだろうか、と謂う事だ。それは恐らく第2句「時計のこゑ」であるのだろうが、通常の発想では灯火を灯す事によって、その感が低減もしくは解消される筈なのである。さもなければ、そうではない、第2句「時計のこゑ」以外のモノなのであろうか。その点でこの歌は独特と看做せるだろう。