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ふくろふは 月にも忍びて 逢ふせかな 夜つゆしのげば 猫のあらがふ
<読み>
ふくろうは つきにもしのびて おうせかな よつゆしのげば ねこのあらがう
<意味>
梟は、月にも忍んでの逢瀬なのだなぁ、夜露をしのごうとすると猫が争っている。
<解説>
第4句「夜つゆしのげば」は、名詞"夜つゆ" + ガ行四段動詞"しのぐ"已然形 + 接続助詞"ば"である。
この接続助詞"ば"は未然形に接続、この場合で謂うと"夜つゆしのがば"ならば、仮定条件を表し、"もし〜ならば"と訳す。本歌では、已然形接続なので本歌の場合、"継起の前後関係"を示すモノとなり"〜すると"と訳す [已然形接続には他に幾つかの解釈はある]。
結句「猫のあらがふ」は、"猫と [作者が] 抗っている"と謂う解釈も成立し得る。どちらが面白いのだろうか。
そして、この歌に於ける「ふくろふ」と「猫」は文字通りに解釈しても良いのだろうか。