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掌をふりて 別れしのちの よひさまし 始発のえきで ひとり待つわれ
<読み>
てをふりて わかれしのちの よいざまし しはつのえきで ひとりまつわれ
<意味>
掌を振って [友人と] 別れた後の酔い覚ましとして、始発駅で1人待っているわたし [である]。
<解説>
綴られてあるのは客観的な状況だけである。だから、自ずと結句「ひとり待つわれ」である心象を伺いたくなる。そしてその結果、解読を試みる読者自身の心象も自ずと明らかになってしまう。
早朝、特に休日明けの駅やその一帯の雰囲気は独特だ。終夜、休日を愉しんだ人々もいれば、これから出勤する人々もいる。大雑把に謂えば、ある種の疲労感や倦怠感に満たされているのだが、そこにいる個々のその内実が違うのだ。