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陽のしずむ 雲はながれて あきのたつ しや窓にうつる 在りし日のこと
<読み>
ひのしずむ くもはながれて あきのたつ しゃそうにうつる ありしひのこと
<意味>
太陽がしずむなか雲が流れて秋になる。車窓に映るのはかつてあった日々である。
<解説>
結句「在りし日」にはふたつの意味がある。過去もしくは生前、この場合、いずれの場合でも成立するだろう [だからもうひとつの<意味>が成立する]。
ふたつある意味のうち、そのひとつである前者を採用したのは、第3句「あきのたつ」があるからだ。この「あき」は"秋"と"飽き"の掛詞と看做す事が出来る。と、謂う前提立てば、結句「在りし日」の意味を前者と解したくもなる。ある人物との別れを主題としてこの歌を解釈出来るからだ。しかもその結果、第3句「あきのたつ」を"立秋"と"秋に発つ"の掛詞と看做す事も出来そうなのだ。