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彼のひとの ゆくへしれぬと なき暮れて 祈祷のあさに 舞をるるふみ
<読み>
かのひとの ゆくえしれぬと なきくれて きとうのあさに まいおるるふみ
<意味>
その人が行方不明だと泣きくれて [過ごした夜が明けて] 朝の祈祷の時間に手紙が舞い降りる。
<解説>
第3句「なき暮れて」は、"泣き続ける" と謂う意味と "泣いて日が暮れる" と謂う意味との掛詞と読めなくもない。それを前提にして<意味>では語句を補ってみた。
この歌の余情は、結句「舞をるるふみ」が担っている。誰が何故、その様なモノをと謂う驚きと、そこに認められているであろう内容の予感が、そこにあるのだ。