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日のかはり 屍体おきばの 闇のそこ みはてぬ夢は いまだつゐえぬ
<読み>
ひのかわり したいおきばの やみのそこ みはてぬゆめは いまだついえぬ
<意味>
日付がかわり、死体置き場の闇のそこで、見果てぬ夢はまだ終わってはいない [者がいる]。
<解説>
結句「いまだつゐえぬ」の解釈をどうすべきか。そこが問題だ。つまり、助動詞「ぬ」の解釈である。
ちなみに、文法上では「つゐえぬ」は誤用である ["ゐ"はワ行であり、ヤ行ではない]。
「つゐえぬ」をヤ行下二段動詞"潰ゆ"連用形 + 完了助動詞"ぬ"終止形と解釈すると、その意味は"潰えてしまった"となる。
一方で、ヤ行下二段動詞"潰ゆ"未然形 + 打消助動詞"ず"連体形と解釈すると、その意味は"潰えない"となる [猶、その際にはその語句を受ける体言が省略されている事になるので、それを補う必要がある]。
<意味>では、後者を採用したが、前者でも解釈としては成立すると思うし、野望の失墜を主題とする現実的な解釈になる [後者の場合は恐怖譚、非現実的な物語となるかと思う]。