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てんぼうだい 眺めるつまを みるひとを 遥かなそらより みつめたきかな
<読み>
てんぼうだい ながめるつまを みるひとを はるかなそらより みつめたきかな
<意味>
展望台で [遠くの景色を] 眺めている妻をみまもっている人物を、遥か遠くの空からみつめてみたい。
<解説>
なにかをみている人物をみている人物をみる。それを遠方からみたい。そんな歌。
叙景としてあるのはある方向に向かう視線のみだが、ここにあるみっつの視線がみているその対象物への距離が違う。
第2句「つま」とその対象物は遠距離にある。そして第2句「つま」と第3句「ひと」の距離はおそらくとても近い。物理的な距離云々と謂うよりも、心情的な距離も極めて近い筈だ。ではそれをみている作者はどうなのだろう。下句を前提にすれば決してとおくはない。少なくとも心情的には。だからこそ、第4句「遥かなそら」から眺めたいのだろう。
と、謂う事は?