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うらめしき 頭じようにそびゆる じゆうの文字 吾の蘇生を 阻むがための
<読み>
うらめしき ずじょうにそびゆる じゅうのもじ われのそせいを はばまむがための
<意味>
うらめしいのは頭上に聳えている十の文字である、わたしの蘇生を阻止する為の。
<解説>
詞書にある「死美人」の立場にたって詠んだ歌である。
彼女は死して猶、意識はあるらしい。そして復活の意思さえあるのだ。にも拘らずにそれが出来ない。
何故なら、第3句「じゆうの文字」が掲げられてあるからである。おそらくこれは十字架 (Christian Cross) をさしての事だろう。さもなければ、邪気を封印する為の文言乃至記号であろう。そしれそれは第2句「頭じよう」、すなわち遺骸である彼女を納めた棺、もしくはそれが収蔵されてある納骨堂 (Columbarium) の類いなのだ。