<画像:20240125.jpg>
寂りようは 鉄路のむかふを 遮られ 野べのをくりの しや中かな
<読み>
せきりょうは てつろのむこうを さえぎられ のべのおくりの しゃちゅうかな
<意味>
寂寥は [踏切に遮断されて] 鉄路の向こうに [向かうのを] 遮られている野辺送りの車内であるのだなあ。
<解説>
第2句「鉄路のむかふを」の「むかふ」は上で示した様に、"向こう側" と "〜へ向かう" の掛詞であろう。そして、解釈上、"鉄路の向こう側に行けない" 場合を考えたら、遮断機が降りているのだろうと考慮して、上の様にしてみた。異なる解釈の可能性はあるだろう。
結句「しや中かな」は、上では反映出来なかったが、"車中" と "社中" の掛詞かもしれない。後者の場合の故人は、参列者の師匠筋にあたる人物かもしれない。
恐らく、故人は既に、第3句「遮られ」ているその先に行って / 逝ってしまったのだ。そして、なんらかの理由でそこへと辿り着けない。その結果で発生する感情もしくは情緒を初句「寂りよう」と看做しているのだろう。