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棺いく ほし墜つのちは しつ黒の 戀せしひとは のぞみて遥か
<読み>
ひつぎいく ほしおつのちは しっこくの こいせしひとは のぞみてはるか
<意味>
棺は出棺した。星が堕ちた後にあるのは漆黒の闇である。恋した人は遥か彼方 [をのぞんでいる]。
<解説>
上句にあるのは葬儀の後の欠落感であろう。
解釈が難しいのは、下句である。
第4句「戀せしひと」は、棺の中、それともその葬列に参加した人物、その両方が考えられる。
前者であるのならば、故人の夢や希望は遥か彼方にある、と謂う様な解釈が可能だろう。
後者であるのならば、その胡人の衣鉢を継ぐ意思の表出を描写した、そんなが可能と思われる。