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なま肌は 魔にみゐられし そのをんな 侮蔑のことのは 月はましろし
<読み>
なまはだは まにみいられし そのおんな ぶべつのことのは つきはましろし
<意味>
その生肌は魔性に憑かれた女のものである。侮蔑の言葉の最中、 [その上に照る] 月は白銀だ。
<解説>
歌の主人公の視点はどこにあるのか。月光の下、最も強い印象を受けたのが、第3句「そのをんな」の初句「なま肌」なのである。両者は恐らく対等の位置にはないのだ。もしかしたら、その人物に拘束されて、そうではなくとも、なんらかによって著しく視野が制限されているのだ。
例えば、夜の唯一の灯が月光であって、そこに第3句「そのをんな」の初句「なま肌」が浮かび上がっている、と謂う様な。
そして、第4句「侮蔑のことのは」は、第3句「そのをんな」から主人公に向けてのモノだと思えるが、どうなのだろうか。