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へのじでも むせぶをんなの 匂ひかな れつ車はしるや このめどきを
<読み>
へのじでも むせぶおんなの においかな れっしゃはしるや このめどきを
<意味>
くちをへの字に結んでいても、息がつまる程の女性ならではの体臭がするなぁ、列車が走るのは木の芽時の季節である。
<解説>
初句「へのじ」は第2句「をんな」の表情なのだろうか。そしてその女性は、作者と同道しているのだろうか。それとも偶然に第4句「れつ車」内で隣席となった人物だろうか。
いずれにしても、そんな表情をしていると謂う事は機嫌が悪い、憮然としていると謂う事である。にも拘らずに、決してその内心はそうではないと、「匂ひ」がその表情を裏切っている、もしくは彼女の本音を告げている様にみえてしまう。
そんな解釈を増長させるのが、結句「このめどき」と謂う季節であるのだろう。