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凪なれど 妻とのそのごを ものかたる 浮きしをのこも しずむうみかな
<読み>
なぎなれど つまとのそのごを ものがたる うきしおのこも しずむうみかな
<意味>
凪いではいるが、妻とのその後を物語る浮かれた男も沈む海だなあ。
<解説>
第4句「浮きし」と結句「しずむ」は対比である。
結句「うみ」は "海" と "倦み" の掛詞であろう。
そして、初句「凪なれど」と結句「しずむうみかな」は、情景描写であると同時に、第2句「妻とのそのご」を聴いているある人物の心象ではないだろうか。つまり、表面上はとても穏やかにみえるがその実、心中は決して穏やかではない、と謂う。