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陽のしろく かか子とかして あをぎみゆ さく夜のうたげ 血こごりて痕
<読み>
ひのしろく かかしとかして あおぎみゆ さくやのうたげ ちこごりてあと
<意味>
太陽はしろく [輝いている] その下で、案山子と化してその空を仰ぎ見ている。昨夜の宴として血が固まった痕 [がついたままで]。
<解説>
第2句「かか子とかして」の「かして」は、"化して" と "架して" の掛詞かもしれない。但し、そうするとそれぞれの意味では、歌われている情景に若干の変動をもたらす様な気がしないでもない。つまり、「かか子」とは誰なのか、と謂う事だ。
猶、初句「陽のしろく」で白、結句「血こごりて痕」で赤と、それぞれある色彩が詠みこ込まれているが、その背景として第4句「さく夜のうたげ」の中に、闇もしくは黒と謂う色彩が潜んでいる。