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うち据ゑれし 呪ひのことばも しばりくび 歯をかみしめて 睨みたる母
<読み>
うちすえられし のろいのことばも しばりくび はをかみしめて にらみたるはは
<意味>
打ち据えられて [吐き捨てた] 呪いの言葉も [功もなさずに] 絞首される。[その光景を] 歯を噛み締めて睨んでいる母は。
<解説>
刑事罰 (Sanctions) としてと謂うよりも、私刑 (Lynching) である様な光景である。それとも、法体系が未整備もしくはそれが存在しない世界もしくは時代の事なのだろうか。
上句にあるのはその罪人として処刑される人物の描写であるが、下句では一転、その光景を凝視める人物の描写となる。
その人物である結句「母」は、処刑される人物にとっての存在なのか、さもなければ、その人物の被害者にとっての存在であろうが、では、そのいずれなのか。
そして結句以降、省略されている筈の、彼女の心象もしくはその後の行動は、如何様なモノなのであろうか。