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炎てんに 沙にまみれし きゆう血き 夢ものがたりて 戀のみちゆき
<読み>
えんてんに すなにまみれし きゅうけつき ゆめものがたりて こいのみちゆき
<意味>
炎天下に砂にまみれた吸血鬼 [がいて] 夢物語に語るのは恋の旅程である。
<解説>
上句を読む限り、その吸血鬼 (Vampire) はもうまもなく死ぬのだろう。直射日光に晒されている、もしくは、僅かばかりの日陰に潜んでいると思われるからだ [後者の場合は生存の可能性が微かに遺されてはいるが]。絶体絶命の彼乃至彼女が語るのが、下句である。第4句「夢ものがたりて」を読む限り、それは過去の事ではないらしい、これから先の事ではある様だ。
尤も、昨今のこの暑さ / 熱さを考慮にいれれば、この歌に詠われている叙景は第2句「きゆう血き」に限った事ではない。