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背なにきみ 毀はれた塔の ひんがしに あさよぶ聲の こだまとしる也
るい詠める
<読み>
せなにきみ こわれたとうの ひんがしに あさよぶこえの こだまとしるなり
<意味>
背中にきみ [を感じながら] 破壊された塔の東に朝を呼ぶ声がこだましていると気づく。
<解説>
廃墟となった塔に1組の恋人達が [そこでなにをしていたのかと謂うのは野暮と謂うものだ]、1夜を過ごした。そして夜明け。まだ陽は彼等の許には届いていないのだろう。だが、もうまもなく朝だと気づく。
第4句「あさよぶ聲」が具体的に何をさしているのかは示されてはいない。それはその近辺に棲む野生の生物達の息吹だろうか、それともその近隣に暮らす人々の覚醒めの気配だろうか。自然と日常、様々なモノが想起される。