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かた越しの 帷りのむかふに つき灯り 片うでうせし きみが戀ひと
<読み>
かたごしの とばりのむこうに つきあかり かたうでうせし きみがこいびと
<意味>
[その人物の] 肩越しにみえる幕の向こうに月明かりがみえる。[その人物こそ] 片腕を喪ったあなたの恋人である。
<解説>
歌の場面である室内は暗闇に包まれているのだろう。だからこそある人物の肩の向こうにある幕のさらに向こうに灯っている月光がみえるのだ。そして月明かりの逆光となっているからこそ、その人物が片腕である事も自ずと解る。
そして結句「戀びと」が生得的、もしくはかねてより片腕や否やかと謂うと、どうもそうではない様に読めてしまう。その夜の、なんらかの事件もしくは事故によって、腕を1本喪ってしまった様にどうしても、読んでしまう。