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ゆきの野に ちりゆくさだめの 名もなきを じゆう後のきみに をくる花束
<読み>
ゆきのやに ちりゆくさだめの なもなきを じゅうごのきみに おくるはなたば
<意味>
雪原に散ってゆく宿命の無名のものを銃後のあなたにおくる花束 [とする]。
<解説>
第2句「ちりゆくさだめ」の「ゆく」は、"行く"、"逝く"、"征く" の掛詞と解する事も出来る。とは謂え、<意味>にはその点を反映出来ていない。
第3句「名もなきを」は、逐語訳をすれば "名も無いモノ" ではあるが、結句「をくる花束」と連動させて "植物" と解する事も出来れば、"無名兵" と解する事も出来る。
第4句「じゆう後」は "銃後" すなわち戦争下にある母国の事であろうが、"十五歳" と解しても解釈としては成立するだろう。
結句が体言止めである故に、述部を補う必要がある。<意味>にあるのは、最も無難と思われるモノである。