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舟にのり 黄泉よりかへる そのをとこ きみに逢へぬと しらぬが故へに
<読み>
ふねにのり よみよりかえる そのおとこ きみにあえぬと しらぬがゆえに
<意味>
[三途川 (Sanzu River) を] 舟に乗って死者の国からかえるその男は、あなたにあえぬとしらないからこそ [そんな行動をとるのだ]。
<解説>
死者が現世に帰ってくるのは盂蘭盆 (The Bon Festival)、毎夏恒例だ。ではあるが、歌の内容は決してそうではあるまい。と、謂う事を前提にしたとしても、蘇った亡者がその目的を果たせないと謂うのは、どういう状況なのだろうか。
それとも、歌に綴られてある事はなんらかの比喩であって、いかなる事があろうとも、第3句「そのをとこ」は願いを果たせない、と謂う意味であろうか。