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のう園の たれもが逝つて なつの夕 ひとり遺れる をとめは粧ふ
<読み>
のうえんの だれもがいって なつのゆう ひとりのこれる おとめはよそおう
<意味>
農園で暮らす誰もが死んでしまった夏の夕方に、たったひとり生き遺っている乙女が化粧をする。
<解説>
そこでなにがあったと謂うのだろう。災害だろうか、惨劇だろうか。そこで暮らす人々がみな死んでしまった日暮に、たったのひとり生き遺っているある女性が化粧をしている。
これから外出しだれかと逢瀬を愉しもうと謂うのか、それとも、そこにだれかが顕れると謂うのであろうか。否、もしかすると、日常の毎日の嗜みのつもりなのかもしれない。
そこでおこった事をまだ認識していない、とも考えられるからだ。