<画像:KIMG0594.JPG>
あく夢はてて たれもわすれて 改装の かのをどり場に いまだたつかげ
<読み>
あくむはてて だれもがわすれて かいそうの かのおどりばに いまだたつかげ
<意味>
悪夢が終わって、 [その悪夢を] 誰もが忘れて改装されるあの踊り場にまだ立っている影がある。
<解説>
階段、もとい、怪談である。
初句「あく夢」は、"夢" と謂いながら実際にあった事なのだろう。だが、年月を重ねる事によってその事実とその記憶は風化していく。そしてその風化をさらに推し進めるのが第3句「改装」なのだ。
にも関わらずに、と受けるのが下句である。
その事実を決して忘れない存在がそこにあって、かつての記憶を呼び戻す。