新宿を奔る[020)たいの日記]
(2007-02-01 23:37:08) by =oyo=


三丁目から西口まで駆け抜けなければならない羽目になったのは、なんの事はない、金融機関の事情と言う奴だ。あそこに入っているカネをひっつかんで、あそこに持って行きさえすればいい。ただ、それだけの話だ。問題があるとすれば、あそこに間にあう様に、あそこに確実にカネがあるかと謂う事だ。

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2月が始ったばかりだというのに、辺りは生煮えの様な天気で緩い。しかも、ほんの数週間前ならば、めっきりと暗い夜の始まりを告げている時間だと謂うのに、うすら惚けた様な陽射しがまだ地上に残っている。
ヒトの流れも緩慢で、やたらとぶつかる。まぁ、ヒトサマにぶつかるのはいつもの事だけれども。伊勢丹の改装中のショーウィンドウを横目に睨みながら、小走りで駆け抜けるのには随分と技術がいるもんだ。
まるで手ぶれカメラで撮影しているかの様に、まともな判断力と冷静な視界は、とっくにない。眼に映るモノに酔っている
信号をいくつかすっとばして行くと「恋と革命の味」のカリーパンに眼が吸い寄せられるけれども、ここは我慢のしどころ。パーラー高野の手前は、人込みもエアポケット状態になって、ホスト風情のおにいさんが片っ端から声をかけている。
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右手前にアルタハイビジョンがみえるけれども、そこに映っているのは、大作映画の予告編なのか、それとも、対戦ゲームの最新作なのか、もう判断はつかなくなっている。焦って冷静に観る余力が既にないのか、そこまでCG/SFXの技術は進歩したのか? 主役のケビン・コスナー(Kevin Costner)の眼にチカラは宿っていない様だ。
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東口から西口に駆け抜ける手狭な連絡通路で「いとしのエリー」を気持ちよさげに弾き語っているお兄ちゃんに悪態をつきたいのをこらえながら、目前の最終目的地と時計の針を思い描いて、彼の眼前を駆け抜ける。

(掲載されている図版本文とは関係ありません)


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