< ページ移動: 1 2 >
『Ohmynews』の日本版『"市民みんなが記者だ" オーマイニュース』の記事「 YouTube 『Dancing』の不思議な力」でも紹介されていた「Where the Hell is Matt?」を観て、想い出したのは藤子・F・不二夫の短編「ある日・・・」(『パラレル同窓会<画像:>』収録)だった。
町内の8mmマニア4人が行った4人だけの上映会。各々の映像作品を持ち寄って、寸評しあうという微笑ましくもあるちいさなささやかな集い。
これが町内にある小学校の体育館だったら、自己満足の極みとそれにつきあわされる家族や町内の人々の退屈さを描いてしまうし、逆に同好の志が10名もいたら、マニア特有の、お互いの傷を舐めあいながらも、その傷に塩を摺りこむ様な陰惨な描写になっただろう。だから、この4人というこじんまりさは、この短編の緊張感が各々の持ち寄った作品の出来栄えだけに集中して物語らせる事になる。
その4人の中のひとりが持ち寄った作品が、短パンにタンクトップにシューズという観るからにわたしジョギングしてます姿に身をやつした監督兼主演の男性が、家族に送り出されて自宅から走り出し、そして、その彼が東アジア、中近東、ヨーロッパ、アフリカそしてアメリカと五大陸をひたすらジョギングして世界一周、再び家族の待つ町内に辿り着く、というもの。
なぁんだ、『Where the Hell is Matt?』と同工異曲で、マット・ハーディング(Matt Harding)のその作品よりも遥か昔に、藤子・F・不二夫が描いてたんだ、凄いだろ的な事を書きたいのねと想うのは、まだ、早いからね!?
『Where the Hell is Matt?』を観ていて、アイデアの秀逸さとそれを実際に実行してしまう阿呆らしさに感心する以上に(ん? もしかしたらアイデアの阿呆らしさとそれを実行する秀逸さかしら?)、何故かひたすらもの哀しい想いが湧き出てくるのは何故だろう。
< ページ移動: 1 2 >